
これは「ムーン君」がうちへ来て2週間ほど経ったころかな・・・。はじめは「カリンお姉ちゃん」におもいきり嫌われた。出会った瞬間にシャー!をして僕の部屋の棚の奥にたてこもり、僕が呼んでもお母ちゃんが呼んでも出てこない。ご飯も食べず3日間、先住猫の意地を張りとおした。おしっこも僕の椅子の上にわざとする。猫はみんな綺麗好きだから、本当はこんなことはしたくないのだ。これを叱っても逆効果である。猫が1匹増えるストレスがあり、それに対応する飼育環境が悪いこともある。問題は飼い主の方にあるのだが、ずっと1匹だけを飼っていて、新参猫を迎えたことがない飼い主は、これでびっくりして新しい子を返してしまったりする。
でも、しばらくのあいだ部屋を分け、先住猫をより以上に可愛がることで

解決する場合が多いのだ。ただ事故がないように2・3日はつききりで見てあげなくてはならないから、昼間だれもいなくなるお宅では難しいかもしれないね。
お前もきっと辛かったよな。ごめんねカリン。
「わたしが一人娘として、一身に受けていた愛情は、きっとこの小さい黒猫にすべて奪われるだろう、と思ったわ。なによりも汚いビビりなチビのくせに、大切そうにお母ちゃんに抱かれてやってきたのが許せなかったのよ。
この子はお父ちゃんのお友達のクリーニング屋さんの屋根裏で、隙間にはさまって1週間くらい、兄弟6匹とずっと啼いていたらしい。、

ママ猫には狭すぎて運び出せなかったみたいで、とうとう消防隊のレスキューまで呼んで助け出したんだそうね。わたしも川原に捨てられた野良だから、その身の上には同情しました。
いま仲良しになったのは、なんだか体の奥の方から湧いてくる、ママ猫の気分が不思議だったから。首を噛んで、隅っこへ連れて行って毛繕いをしてやると、とても優しい良い気持ちになれたからなの。
そしてムーンにはちゃんと言い聞かせてある。ご飯はぜったいわたしが先、お父ちゃんの膝はわたしだけ、アルミホイルの玉投げ遊びの時は邪魔しちゃダメ。それが守れれば、お父ちゃんのお布団の足元、わたしの寝場所へ来てくっついていても良いわ。2匹の重さでうなされて、ときどきお父ちゃんに蹴飛ばされるけどね・・・。

「ボクはカリン姉ちゃんが大好きです。はじめはママかと思っていたけど、ほんとうはちがうんだって。大きい猫だなー、と思っていたのもさいしょだけ。だんだん小さくなってきて、とうとうボクに負けてしまいました。でもレスリングをするとボクは勝ちません。とくに猫パンチがこわいです。
姉ちゃんが玉なげであそんでいるときに出ていくとおこられます。いっしょにあそぼうといっても姉ちゃんはボクの顔をみてやめてしまうので、つまらないのだ。あそんで走っているときの姉ちゃんのおしりのとこは、なんかいい匂いがして、おいかけてかみたくなるのでそれがいやなのだろうか?ボクはちゃんと「きょせいしじゅつ」というのをしているから、べつに変ないみじゃないんだけどなー。
ボクはあとから来たので、いいつけを守ります。お母ちゃんのとこにいつもいるのは、お父ちゃんがボクにしつこいからいやなのだ。姉ちゃんもくればいいのに、ボクがこたつにもぐっていたりほかのヘヤをたんけん中にそこでねてしまったときだけこっそり来るみたいだ。それなので今のところお母ちゃんはボクのものです。
お母ちゃんのトイレ番と、お父ちゃんのおでむかえはボクがよくします。お母ちゃんはトイレから出るとだいてくれます。お父ちゃんはカイシャのかえりがけに、おそとの葉っぱをつんできてくれます。